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翻訳者インタビュー

翻訳者 M.D さん

レディング大学院卒
国際経済学修士

証券会社に長く身を置いた経験を生かし、債券、為替、資本市場、ファンドなどの金融学や、経済学を専門とする。ドイツ系銀行の勤務経験も持つ、日本語・英語・ドイツ語に通じたトリリンガル。

まずは、専門分野を教えてください。

日本の大学の在学中にドイツのゲッチンゲン大学に留学をして社会学を学び、その後、ロンドンのレディング大学で国際経済学を学びました。卒業後はドイツ系銀行の勤務、証券会社の勤務を経験するなど、経済界に長く在籍していましたので、債券、為替、資本市場、ファンドなどの金融学や、経済学、会計学に対して広く知識を有しているのが私の強みです。また、社会学・政治学に対しても体系的に学んだ経験がありますので、今後積極的に翻訳を手掛けていきたいと考えています。

どうして翻訳者になろうと思ったのですか?

ロンドンにある証券会社に債券のセールス・トレーダーとして採用されましたが、その後転居に伴い債券部調査課へと異動になり、在宅でエコノミストのレポートの翻訳を任されたことがきっかけです。証券会社に勤めていた当時、有価証券という、時々刻々と値段が変わり、定まった価値の持たないものを扱うことや、その価値の変化に振り回されることに心をすり減らし、疲弊していました。そんな苛立ちの反動で、「絶対」と言える価値を持つものを扱う仕事がしたい、そしてその価値を、他でもない自分自身で生み出せたら、やりがいがあるに違いない、と考えるようになったのです。先に述べた、エコノミストのレポートの翻訳を任されるようになったのは、そのような頃でした。翻訳の仕事を始めてすぐに、自分の求めていたものはこの仕事だったのだと感じました。翻訳の仕事は、目の前にある文章とひたすら対峙する仕事です。そのような腰を落ち着けて取り組める仕事は、株に振り回される疲れを癒してくれるものでしたし、さらに、その文章の翻訳の出来、つまり完成品の価値を決めるのは、翻訳を手がけた自分の能力次第。初めて自分の手で価値のあるものを世に送り出せたと感じられる、満たされるものでした。恥ずかしながら、在宅の仕事だから気楽だ、などと当初軽く考えていたのですが、たちまち翻訳に夢中になり、のめりこんでいきました。
その後証券会社を退社し、翻訳の仕事を専門に行うようになり、現在に至ります。現在は、自分が満足できるから翻訳をするのではなく、読者の心に残る、読者が価値の感じられる文章でなければ意味がない、自分の満足のためではなく、その先の読者のために翻訳をするのだ、と翻訳に対しての考え方も大きく変化しました。これからも、自分の作り出すものの価値の重さを噛みしめながら、翻訳の仕事にまい進していきたいと思います。

翻訳スキルをどのように磨いていますか?

普段の生活のなかで出来るだけ多くのネイティブと英語で会話をし、なるべく多くの英語本を読むようにしています。当然のことのように思えますが、英語のスキルを錆びつかせず、さらに発展させるには、そのような何気なくできることの繰り返しが大事だと思います。また、経済状況が目まぐるしく変わる現代においては、次の日には前日の情報がすでに古くなってしまうことも多々あるので、テレビのニュースや新聞、インターネットでの情報収集や専門用語の学習、時事英語の確認は、毎日欠かせません。

いままで翻訳してきたなかで一番印象に残っている案件はなんですか?

ハーバード大学が発刊している、ある経済ジャーナルを翻訳した時のことが非常に印象的です。世界に名をとどろかす名門大学のジャーナルなだけあって、寄稿された論文群の論理の緻密さや複雑さ、クオリティの高さは、目を見張るものがありました。論文の作者と、翻訳する私に知識の差がありすぎて、私は論文のクオリティを下げることなく翻訳を成し遂げることができるだろうか、と不安にすらなりました。そして、翻訳者は研究者と同じレベルの専門知識を身に付けていなければならないし、翻訳スキルだけでなく、その学問の専門領域に関する知識を常に深める努力をしなくてはならない、と改めて痛感しました。 それからは、専門領域の情報に関してどんな小さなことでも取りこぼしのないよう、常にアンテナを張り巡らせるようになりました。 自身の心構えを変えてくれた、非常に刺激的で大きな勉強になった経験でした。

どのような翻訳者になりたいと思いますか?

作者の意図が正確に読者に伝わる翻訳を提供できる翻訳者でありたいと考えています。自分では訳に不足がないと思っていても、文章の読み取り方は十人十色、読者には意図していたように受け取られないことが多々あります。誰が読んでも同じ伝わり方になるよう、完成した訳文を様々な角度から俯瞰して読む作業を必ず行っています。そうすると不足部分や改善点が必ず見えてきて、より良いものへと近づいていくのです。 翻訳というものは、妥協して「これでいいや」と思ってしまえばいくらでも怠けることができますし、「まだまだ足りない」と思って手を尽くせば尽くすほど、いくらでも磨き上げることができます。自分のさじ加減で原稿の出来が決まるようなところがあるのです。文章の意味が通るようなものであれば問題ないと考え、適当に訳を済ませてしまう翻訳者も中にはいるでしょう。ですが、私は決して翻訳に妥協をせず、読者の心に残る訳、価値を感じてもらえる訳を目指し続けます。どんなに良いと思っても、「まだまだだ」と改善し続ける翻訳を、これからも心がけていきたいです。

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