筑波大学 第一学群卒
書籍などの大型翻訳や日々翻訳の発生するヘビーユーザーのお客様を訪問し、抱えている課題や要望を聞き出します。
法人のお客様との信頼関係を構築するのが仕事です。お客様のご要望をくみ取り、弊社のサービス内容をわかりやすく説明し、購買や取引につなげます。
とまあ、言うのはたやすいのですが、実際には、初回の打ち合わせから取引開始に至るまでには、取引の規模にもよりますが、半年から1年くらい時間がかかることもあります。たとえば銀行様や製薬メーカー様など、業種によっては社内情報の守秘性がとても高いので、まず先方の信頼を得ないことには、こちらに必要な情報を引き出すことはできません。必要な情報が得られないと、先方の実情に即した提案を作ることもできません。打ち合わせを何度も重ね、提案書を書き直し続け、やがて忌憚のない指摘や要望をお互いに言えるくらいまで信頼関係を築いてようやく、契約が成立し、取引が始まります。
大学卒業後、私は好きな活字に携わる仕事を選び、出版社の週刊誌編集部に勤務しました。自分が作り手となって、完成度の高い週刊誌を定期的に創り続けることは大変なプレッシャーでした。楽しくて仕方ない反面、毎週校了を乗り越えることが必死でした。私は、このプレッシャーに一生耐えることはできないと限界を感じ、マスコミ以外で活字に関わる道がないものかと探しました。その結果、言語サービスという業種があることを知り、業界のリーディングカンパニーである弊社と出会いました。 私は、この道を選んで正解だったと思っています。学術論文の翻訳や校正を通して、日本の学術界の振興に貢献しているという実感があります。また、日本人研究者の学術論文を、たとえばアメリカにいる翻訳者が英訳し、その原稿と翻訳者のマッチングをインド・ムンバイにある管理本部が掌握しているというビジネスモデルが非常に新しいという自負があります。この現代的でグローバルなビジネスモデルをお客様に説明し、興味を持っていただけた瞬間は喜びを感じます。
私は翻訳業界でしか営業の経験がないため、他業界の営業について語ることはできません。しかし、売るものが有形のモノであるか、無形のサービスであるかという違いは大きいのではないでしょうか。たとえば、ここに2本の違う種類のボールペンがあるとします。実際、手にとって書き比べれば、どちらが良いボールペンか判断がつくでしょう。しかし、翻訳サービスは形のあるものではありません。お金を払う前に実体を見ることができないのです。したがって、目に見えないものをお客様に安心して購入していただくために、言葉を尽くして、見えないものの良さを説明しなければなりません。より高いプレゼン能力、弊社サービスに対する自信と知識が要求されるのではないかと思います。
たしかにアウトソースは、「コスト重視」「人員削減」などとセットで語られることが多いかもしれません。コスト削減を目的としたアウトソースもありますが、弊社の場合は、お客様が自社では持ち得ない高い専門性と技術を求めて、弊社に委託していただくケースがほとんどです。必然的に、コストではなく品質重視の姿勢を持つお客様とのお付き合いが多くなります。そうしたお客様の期待に応えるためにも、言語サービスのプロとして、これからも専門性と技術を磨いていきたいと思っています。