アメリカ最大手ソフトウェア開発会社が長年にわたって抱えていた翻訳の問題を、最高レベルの精度を保ちながら読みやすい日本語へとスピーディーに翻訳することで解決
ソフトウェア開発会社、ビジネスマネジメント提供の大手Zendeskは、日本での市場開拓を模索していました。通勤する日本人の多くが公共交通機関の中でオンラインのコンテンツを閲覧するといわれるほどですが、外国語からの直訳や読みにくい記事は、ほとんどの場合、読み飛ばされてしまいます。
Zendeskにとって、ブログ記事は潜在的な顧客を惹きつけ実際の利用者にするためのマーケティング戦略の要でした。同社がブログ記事やWEBページ、電子書籍などのコンテンツを、逐語的な翻訳ではなく、クリエイティブな翻訳でローカライズすることにしたのはこうした理由からです。ゼロから日本語でライティングされたような自然で読みやすい文章が求められたのです。
ターゲットとする読者層の多くは英語になじみが薄いため、カタカナ語の多用や英語らしい言い回しが敬遠されることが想定されました。欧米企業が日本に進出する際の共通の課題ですが、インターネットユーザーの関心を維持するためにクリエイティブな翻訳を丁寧に行うことが、WEBサイトのローカライズでは最も効果的です。
ほとんどの人はITについての基本的な知識は持っていますが、難しい専門用語を嫌います。この事実を無視した直訳では大した成果は期待できませんので、興味をもって読んでもらえる分かりやすい日本語にする工夫が必要でした。
ご依頼いただいた当初、お客様は特定のスタイルガイドを念頭に置いていませんでした。ですから、どの程度までクリエイティブなライティングを行うべきかをユレイタスティブ側からも提案する必要がありました。原文にない情報をどこまで加えてよいか、原文とは異なる文の区切りにしたり複数の文を結合したりしてもよいかなど、設定すべき指標は枚挙にいとまがありません。
お客様の課題を理解するため、プロジェクトを始めるにあたり2パターンの翻訳サンプルを用意しました。ある程度原文に忠実なものと、日本語で大幅に加筆されたものです。結局、原文に忠実なサンプルが選ばれました。逐語訳と独創的な作文の中間のバランスを求められたということです。複数のサンプル翻訳をご覧いただき意見をいただくことで、お客様が求めているのが、原文から内容面では逸脱しないまま、読みやすく自然な文体にすることだということがわかりました。これにより、その後の作業の指標ができたのです。
単にブログが読まれるだけでなく、サービスに興味を持っていただいて、メルマガ登録や問合わせの件数を増やすことがサイトを日本語化する最大の理由でした。難解な専門用語が多いコンテンツを正確で質の高い日本語にするために、専門知識があり実務経験も豊富な社内外のネイティブスピーカー、バイリンガルの翻訳者でチームを編成しました。
専門用語が多用される原文を正確で明快な日本語に翻訳するために、ユレイタスティブで自社開発した用語管理ツールを使用しました。さらに、システムをお客様のコンテンツ管理ソフト(CMS)と統合することで、ブログがユレイタスティブの翻訳管理ソフト(TMS) に配信されて翻訳者にリアルタイムで通知されるようにしました。
オリジナル記事からの日本語版作成に掛けられる時間が限られている中、システムを統合したことにより、お客様と翻訳チームが24時間体制でつながり、質の高い翻訳を迅速かつ効率的に行うことができました。
本案件のような大量の翻訳物の一貫性を保つことは困難です。そこで、バイリンガルのチェッカー1名が全納品物を確認し、内製のツールも活用することで一貫性を確保しました。
クライアントからのご要望は、翻訳者+チェッカーによる翻訳でした。しかし、品質を高めるため、あえてもう1段階の品質チェックの工程を追加し、正確性と一貫性を確認してからチェッカーに渡す流れにしました。
「翻訳の品質は、これ以上ないというぐらい完璧でした。世界中のどの翻訳会社も、このレベルでのサービスは行っていないでしょう。プロジェクトを成功させてくれた素晴らしいチームに感謝しています。」