24時間稼動・世界中の翻訳者を繋ぐグローバルネットワークを生かし、
イギリスから届く機関投資家向け報告書の和訳をスピーディに納品
「顧客となる機関投資家に向け、最新の金融マーケット情報を記載した報告書を毎週配信したい。毎週金曜日の深夜にイギリス本社から原稿を送るので、月曜の朝一番に東京支店へ翻訳原稿の納入をお願いできないか」。イギリストップクラスの銀行系大手証券会社からのご要望は、翻訳会社にとって非常にハードルが高いものでした。金融分野の翻訳は特殊な専門用語が多く、常に新しい理論や用語が発生するため非常に難しい分野の一つ。金融分野に深い知識と経験を持つ翻訳者を確保し、土日の2日間だけで原稿を納品する。それが、翻訳ユレイタスが取り組むべき課題でした。巨額の資金を運用する機関投資家にとって、マーケットに関する最新情報は何よりも重要なもの。タイムリーな情報発信と同様に、情報の正確性という点においても厳重なチェックが必要とされます。万が一情報にミスがあった場合、機関投資家に大損害を与えかねず、お客様の信頼問題に関わる可能性も。短納期かつミスのない高品質な納品。お客様のご要望を満たすためには、翻訳ユレイタスならではの強みを生かした柔軟な対応が求められていました。
翻訳ユレイタスでは、インド本社を基点として、世界中の在宅翻訳者をネットワークで繋いで組織化しているため、24時間稼動できるメリットがあります。本案件では、お客様がイギリス本社から金曜深夜に送った原稿をインド本社でプロジェクトマネージャーが受け取り、アメリカ在住の翻訳者に依頼しました。イギリスでは金曜深夜でも、アメリカでは同日のお昼どき。時差を利用して地球上で翻訳のリレーを行うことで、翻訳作業の時間を半日増やすことが可能となりました。ワールドワイドな翻訳体制が強みの翻訳ユレイタスだからこそ、24時間・週末でも対応可能、本案件のようなタイトな納期にも間に合わせることができるのです。
翻訳者の選定はインド本社の手配部門が掌握しています。限られた納期で最高のパフォーマンスを発揮すべく、お客様のご要望に応じた翻訳者の選定を行うのがプロジェクトマネージャーの役目。本案件では機関投資家向けの報告書ということで、金融分野に深い造詣を持ち、かつ文章力に長けた翻訳者が必要でした。早速、金融翻訳を専門とする翻訳者候補にテスト翻訳を行い、翻訳者とバックアップ翻訳者、クロスチェッカーを選定。いずれも証券会社や金融コンサルタントなど、金融機関の第一線で活躍していた優秀な人材を確保できました。業界への深い理解と高度な分析力はもちろんのこと、情報収集にも余念がなく、最新のマーケットニュースにもいち早く対応。読み物としての文章力も長けており、お客様からも「翻訳っぽさを感じさせない完成度」と大変高い評価をいただいております。
翻訳ユレイタスでは、基本的にはお客様に応じて翻訳工程レベルを設定していますが、納期やご要望に応じたカスタムメイドも可能です。本案件では短い納期の中でミスのない原稿を仕上げるために、翻訳、日英原稿の対比を行うクロスチェックの後に推敲作業を追加しました。巨額を動かす機関投資家向けに発信する情報に間違いはご法度。オリジナルの英語原稿と翻訳原稿をつき合わせ、文章表現のほかに数字や用語の使い方など厳しいチェックを重ね、ミスのない原稿に仕上げました。
「“解決できないことはない”という姿勢がすべての課題解決に繋がります。お客様とは約5年のお付き合いで、今でも毎週納品を行っています。」
本案件はかなり難しいものだったと思われますが、実際にはいかがでしたか。
お客様のご要望は独特ではありましたが、対応が困難ということはありませんでした。どんな案件にも、解決しなくてはならない課題はあります。しかしながら、私たちはすべての案件に対して「解決できないことはない」という姿勢を持つことで、課題を解決してきました。翻訳者については、本物の翻訳原稿と類似したテキストによるテストを行い、翻訳者やチェッカーの技術的な知識や総括的な翻訳スキルをチェックした上で厳選しました。また、どのようなケースにも対応できるよう人数を多めに確保するなど、あらゆる事態を想定して万全な体制を整えることが私たちの役目です。
金融分野の翻訳者を手配する際に重要視していることを教えてください。
金融はとても幅広い分野です。担当翻訳者を決める前に、まず私たちが慎重に依頼原稿を吟味しなければなりません。どういう原稿なのか、詳細な分野は何か、誰が依頼原稿に対して適切な経験を持っているか……などを熟慮した上で翻訳者を選定します。詳しくは語れませんが、翻訳者を選ぶ際には他にも多くの細かなポイントがあるのです。
翻訳者の管理がプロジェクトマネージャーの仕事だと思いますが、その際に気をつけていることはありますか。
翻訳者は私たちの会社の一部です。私たちがお客様のご要望に応える際と同じように丁寧に翻訳者と接していれば、翻訳者の管理は難しいことではありません。本案件では、週末に翻訳者やチェッカーに作業してもらいましたが、お客様の事情をきちんと説明し納得した上でしたので問題もありませんでした。
本案件でプロジェクトマネージャーとして身についたスキルを教えてください。
本案件で直面した課題に取り組む中で、システムの効果的な使い方や、限られた選択肢の中で最大の結果を出す方法を学ぶことができました。本案件に関わらず、課題は常に存在します。だからこそ、計画こそが肝心なのです。今でもお客様とはお付き合いをさせていただいていますが、本案件に関わらずほかのお客様からいただく翻訳案件においても、私は常にそのことを意識において携わるようになりました。